イルミナティ(独: Illuminaten, 羅: Illuminati)は、現実の歴史上の秘密結社の名称。イルミナーテン、光明会、啓明結社。
歴史上のイルミナティは、18世紀後半に一時期存在し、南ドイツとオーストリアに広まったバイエルン啓明結社(バヴァリア啓明結社)[1]と称されるフリーメイソンリー的秘密結社である。1776年にバイエルン選帝侯領のインゴルシュタットで創設された。当初は大学教授アダム・ヴァイスハウプトと学生の私的サークルにすぎなかった。フリーメイソンリーとは異なり政治的イデオロギーを有していたため、政治的秘密結社に分類されることもある[2]。体制側から迫害されて1785年に解散を余儀なくされたため、活動期間は短かった。しかしイルミナティ崩壊後にフランス革命が勃発し、バリュエル神父ら反フリーメイソン論者によってフランス革命の黒幕に仕立て上げられた。このことがフリーメイソン陰謀論の契機となり[3]、イルミナティが世界史の裏で暗躍しているという陰謀史観は大衆的に広まっていった[4]。こうしたデマゴギーは現代においてもネスタ・ヘレン・ウェブスターらの著作において荒唐無稽な尾ひれを付けられて反復されている[5]。
19世紀末から20世紀初頭のドイツでは、レオポルド・エンゲルなる人物によるイルミナティ復興運動があり、東方聖堂騎士団を組織するテーオドール・ロイスもこれに関与していた[6]。